アメリカから日本はどう見える?海外では何が起こっている? New York Timesを主な情報源に、ファイナンシャル・プランナー中村芳子がパーソナルにコメントします。アメリカ滞在中の平日に更新。
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2013年03月15日 (金) | 編集 |
電子書籍の「転売」と、「価格1円 」の問題
Reselling E-Books and the One-Penny Problem
NYTimes March 14, 2013

電子書籍について以前から不思議に不満に思っていたことに、NYTimesのテクノロジー・ライターのデヴィッド・ポーグがユーモアたっぷりにわかりやすく解説してくれていたので、ご紹介。

電子書籍には愛すべき点がたくさんある。すごく軽くて、どこまで読んだか覚えていてくれる。文字の拡大も簡単にできる。
image_20130320031059.jpg

だが、これまで何回も何回も書いてきたように、ある重要な部分で「ぼったくり」だ。電子本は紙の本とほとんど同じ値段なのに、読み終わった後に、売ったり寄付したりできない。そういうわけで、NYTimesが、AmazonとAppleが、電子本を再販売できるようにする特許を申請したという記事を載せたとき、私の眉毛は顔から落っこちそうになった。これは電子本だけでなく、音楽や映画、コンピュータプログラムもカバーするという。
私は早速、Twitterで書いた。

ほんとうに、ぜひぜひ。Amazon とApple が電子本を転売ができるようにするらしい。すばらしい。
http://t.co/MwJFO2p6Yd
— David Pogue (@Pogue) 8 Mar 13


ところが、驚いたことに、私のフォロワーたちは思ったほど興奮していない。彼らからこんな質問が来た。

@Pogue : デジタル著作権の管理はどうなる? コンテンツの所有権は誰にあるの?
— William Shaw (@williamshaw09) 8 Mar 13


(タイムズの記事では、Authors Guild(著者組合)の代表のScott Turowは、こんな風に書いていた。「1週間後にただ同然で買えるのが分かってたら、誰が正規の値段を払って本を買うだろう?」)

そりゃあ、もちろん著作権が保護されなかったら、電子本の再販売という計画が出てくるわけがない。紙の本と同じで、電子本を1冊買ったら、売れるのはその一冊だけだ。いったん売ったらもちろん手元には残らない。

AmazonとAppleの提案は両方ともこの課題をクリアしている。どちらも、1冊の電子本の所有者は、常にひとりに限定されることを保証している。

@Pogue 著作権者は、転売の時に印税をもらえるの?
— Steve (@StevePietrowicz) 8 Mar 13
紙の本の世界で、印税がどんな扱いになってるかは、ご存知のとおり。出版社と著者が印税を受け取るのは最初の販売の時だけ。その後は持ち主が他の人に売ることができる。

例えば、私は50冊の本の著者だ。もちろん、中古本の販売の時に印税がもらえたら嬉しい。でも、そんな経験は今までないけど、それで世界が終わるというわけでもない。

@Pogue どうやったら、それがうまくいくわけ?どうやって中古のeBook と新品を区別するの? データエラーで?
— out of phase (@moarliek) 8 Mar 13


これは面白い。この人は、電子本が新しい所有者にわたるときに、紙の本と同じようにちょっと痛んでたり、汚れてたりすると想像している。かわいい。 では、次いこか?
別の人は同じ心配を、違う書き方で書いてきた。

@Pogue 紙の本や商品と違って、電子商品は劣化しないでしょ?だったら、どうして(高い)新しい本を買う人がいるの?
— Todd Heberlein (@toddheberlein) 8 Mar 13


これには遂に、ちょっと考え込ませられた。

こう考えてみよう。ボブがAmazonから10ドルの本を買ったとする。読んだ後、これを8ドルで売る。転売を何度か繰り返すと、この中古電子本は1ドルになる。でも、読書体験は新品の本と同じで新鮮で清潔だ。

この世界では、どんな電子本でも、じっくり待ちさえすれば、1ドル以下で手に入れることができる。ベストセラーなら、さして待たなくてもいいだろう(出回る量が多いから)。

つまり、本の転売というのは、物理的に劣化するという側面以上のことだ。必要不可欠。転売価格と商品の価値の目減り分が見合うことを保証している。もしすべての本が完璧なら、同じところに行き着く。電子本の販売・転売が全く規制されないなら、すべての本は最終的に1ペニー(1円)になるということだ。

だがApple とAmazonが、それを心配しているようには思えない。もちろん彼らは悪夢の状況を想定しただろう。私はついに、実際の特許を読もうと決心した。

特許の文章は法律家じゃない者には難解きわまりないが、なんとかやってみよう。
Appleの特許もAmazonのもどちらもおそろしく広い範囲をカバーしている。双方とも、出版社や書店にかなりの部分をコントロールする権利を与えている。たとえば、転売にあたっても著作権使用料が支払われる形とか。

しかし1ペニーまで値段が下がる問題はどうだろう。特許は出版社や書店に、転売の最低価格を決める権利をみとめている。この最低価格は、一定期間が過ぎると引き下げることができる。Appleの特許に明記してあるが、「もうひとつの例として。すべてのデジタル映画は、最初に購入されてから6ヶ月間は、最低10ドル以上で売買されなくてはいけない。6ヶ月以降の最低価格は、5ドルとする。」

また、どちらの案も、出版社がデジタル作品の転売の回数を制限できると提案している。「発売時点で、デジタル作品が何回、媒体間でトランスファーできるかの上限回数を設定できる。(1所有者が)転売する前にダウンロードできる回数も制限できる。」とAmazonの特許は表現している。「この規制によって、市場でデジタル作品が飽和せず、常にニーズが存在ことになる」

そういうわけなので、まだ、誰もパニックになる必要はない。こんなシステムは時間をかけて議論し完成度を高めていく必要がある。出版社に最終決定権が与えられ、様々な選択肢や順位の付け方があって、今の古本屋とは全く違う形になる。いちばん恐ろしいのは、著者にお金が入らなくなることではなく。中古電子本屋が、規制でがんじがらめにされて、営業を始める前に潰されてしまうことだ。

Here’s hoping that all four parties — authors, publishers, bookstores and consumers — will demonstrate good will, a love of reading and a minimum of greed and paranoia.
4者それぞれに希望がある。著者、出版社、書店、消費者、それぞれが良心と読書への愛を持って、欲と妄想を最小限に抑えることができれば。
関連記事
コメント
この記事へのコメント
許せないニュース
テキサス州の米軍基地の司令官が沖縄の人々を侮辱するとんでもない暴言

http://yabaiyiyiyi.blog25.fc2.com/blog-entry-576.html
2013/03/31(Sun) 20:43 | URL  | W・S #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。